いち早くタブレットを利用してプレゼンを開始した業種は、製薬会社のMRと言われています。
ドクターをはじめとする医療従事者への情報提供は、質と量が勝負で、これまでは膨大な資料を持ち歩き、専門性の高い医薬品の詳細情報を紙の資料とPCを用いてプレゼンしていました。
しかし、タブレットを利用することで、膨大な資料をタブレットにおさめることが可能になりました。
ただし、病院などの通信が限定される環境では、オフラインでファイルを展開できるソリューションの導入が必要となります。
上記のソリューションを使用すれば、あらかじめデータ資料をダウンロードしておくことで、問題なく情報を引き出すことができます。
そして、タブレットで動画を再生するなどリッチなコンテンツを利用することで、紙でのプレゼン資料では難しい高い表現力と訴求力を実現し、時間の限られた忙しいドクターへよりわかりやすく情報を伝えることが可能です。
このような理由で、多くの製薬会社がタブレットへの切り替えをおこなったと言われています。
投資信託を投資家に提案している証券業界でも、タブレットを利用した情報提供が浸透しています。
証券会社では、営業マンが投資信託などの金融商品の重いパンフレットを持ち歩き、投資家に提供していました。
その持ち歩きの負担を軽減する手段として、タブレットが利用されるようになったようです。
このような場合、タブレットを利用するにあたり、コンテンツデータの格納機能だけでなく、一斉配信機能のある電子カタログソリューションの導入がおすすめです。
多くの電子カタログソリューションでは、管理者が既存のパンフレットのPDFデータを管理コンソールにアップロード、配信することで、営業マンはタブレットでの閲覧が可能になります。
タブレットは、投資信託についてお客様に直接説明する際も機動性が高く、スムーズに操作できるため、顧客とのコミュニケーションが向上し、営業効率のアップへとつながります。
これまで、メーカーは顧客に対して製品についてのプレゼンを、PCを利用しモニターに資料を表示させておこなってきました。
PowerPointを使ってのプレゼンは、製品の特徴や仕様など伝えたい情報が多ければ多いほど、1枚のスライドにところせましと情報が記載されます。
そのためプレゼンを受ける側は、どこが重要なのか、またはどこを説明されているのかわからなくなり、どの情報も印象に残らないという結果になりがちでした。
しかし、そのPC画面を用いたPowerPointのプレゼンをタブレットに変更することで、対面で同じ画面を共有し、画面に直接メモ書きなどを加えながら説明することができます。
それによって相手にプレゼンターの熱意が伝わり、製品の魅力をこれまで以上に伝えることが可能になるのです。
ここまでは、様々な業界の営業現場における、タブレットとソリューションを用いたプレゼンスタイルをご紹介しました。
皆さん、具体的な利用イメージは湧いてきましたでしょうか。
ここからは、私が今まで見てきたプレゼンソリューションの中で、特に今回のような「対面営業」という利用シーンに最適のソリューションだと太鼓判を押せる製品を、いくつか紹介させて頂きます。
●ビジュアモールスマートカタログ : ソフトバンクBB株式会社
リッチなコンテンツでインパクト大、他社との差別化をはかる
既存のパワーポイントファイルに動画を埋め込み、音声を搭載することができます。
非常に高い表現力のあるプレゼンで、相手に強く印象づけることが可能です。
●HandBook : インフォテリア株式会社
コンテンツの一斉配信で営業マンが閲覧
コンテンツのアップロード、一斉配信が容易におこなえるため、営業マンは資料作りに時間を取られることなく営業活動に集中することが可能です。
また、プレゼン資料を共有することで、営業マンは内容の知識レベルを同僚と平準化し引き上げることもできます。
直感的な操作ができ、運用も簡単です。
●ディグボード : ネットフォース株式会社
タブレット画面のコントロールとファイル同時めくり機能
Bluetooth通信で同期する、環境に依存しない「ファイル同時めくり機能」が特徴的なソリューションです。
プレゼンを受ける側にタブレットがない場合、プレゼンター側にタブレットとスマートフォンがあれば、プレゼンの相手にタブレットを渡し、スマートフォンでタブレット画面をコントロールすることができます。
●BizTote : プレイス株式会社
その場でカタログコンテンツから見積もりもとれる
価格が記載されている既存の商品パンフレットデータをそのまま利用できます。
カート機能を搭載しているため、その場で見積もりを取ることができます。
前項のような電子カタログソリューションではリッチなコンテンツを作成することが可能ですが、既存のパワーポイントやPDFをそのまま利用したい場合などは、以下のようなファイル共有ソリューション(※1)の導入をお勧めします。
それぞれ特徴があるため、目的の優先度を考慮し、どのソリューションがご自身のビジネスシーンに合うかをご検討ください。
(※1)ファイルのオーサリング、編集に重きを置かず、既存のファイルの配布、閲覧、管理に特化したタイプのソリューション
●SYNCNEL for Enterprise : 住友セメントシステム開発株式会社
管理画面が分かりやすく、ファイルの同時めくり機能搭載
●Fileforce : 株式会社ウェイズジャパン
大容量コンテンツのアップロード、管理画面でタグ自動生成、検索が容易
●CLOMO SecuredDocs : 株式会社アイキューブドシステムズ
リモートワイプ機能搭載、まさかのタブレット紛失時に対応
●見積PlusPro : タクト情報システムズ株式会社
訪問販売など、その場でカタログコンテンツから見積もりがとれる
タブレットのカタログコンテンツを顧客に見ていただき、興味のある商品をタップしてもらうと、その場で見積もりをとることができます。
特に訪問販売などに有効です。
今回の講義は以上です。
皆さん、対面営業でのタブレットの利用シーンをしっかりイメージできましたか?
次回は「会議室でのプレゼン」というテーマでお話したいと思います。
では次回の講義でお会いしましょう。
この記事に掲載されているデータは2013年02月14日時点のものです。
[掲載日:2013/02/14]