従来企業で導入されてきたWindows PCにおいて、セキュリティ対策はウイルス対策やアプリケーション・ログイン制御などで十分と考えられていました。
しかし、外出先でのスマートデバイス活用に際し、クラウドサービス導入の他に、スマートデバイス紛失や盗難対策として端末データを遠隔ロック・消去するための端末管理システムの導入が必要となります。
また、今までWindows PC向けにソフトを開発・提供していたセキュリティソフトベンダーも、PCやスマートデバイスなど多様化する端末やOS(Windows、iOS、Android)を一元管理できる商品をリリースし始めています。
これらは今後さらに機能拡充していくことでしょう。
携帯電話やスマートデバイスの普及により、「Twitter」や「facebook」などの個人向けSNSの利用者が急増したことは説明するには及びません。
その「SNS」が、企業内での普及を期待されています。
企業向けSNSは、新たな企業向けコミュニケーションツールとして各ソフトベンダーが注力しています。
Google社は、個人向けに提供しているSNS「Google+」を法人向けに最適化し、同社が提供している「GoogleApps」サービスを利用している企業に提供を開始しました。
また、Microsoft社も企業向けSNSを展開していた「Yammer」を買収し、同社の提供している「Office365」への組込みが期待されています。
企業向けSNSの今後の普及は、運用ルールをいかに策定していくかにかかっているでしょう。
しかし「情報の格差」と呼ばれる部門間や地域間での「ナレッジ・情報共有」の不足に対し、クラウド環境において、社内SNSは社内PCやスマートデバイスからアクセス可能なオープンなコミュニケーションの場となります。
社員間での情報が迅速に、また有効的に共有され、社内メールの削減にも期待ができるでしょう。
「チャット」や「ビデオ会議」のように、10年以上前から提供されているコミュニケーションツールもあります。
これらは以前から存在するツールではありますが、スマートデバイスの普及により、「Web会議」や「ペーパレス会議」、「ファイル共有」と呼ばれるソリューションへと変化しています。
外出中のメンバーとの容易な資料共有や、効果的な意思疎通が複数人で行える対話的コミュニケーションが可能となっていくでしょう。
シンクライアントPCはこれまでは一部の用途に限られていましたが、新型インフルエンザや先の震災などのパンデミック&BCP(事業継続計画)対策として、中規模以上の企業で導入が急速に進んでいます。
シンクライアントの導入により、ユーザーは自身の業務用PC環境へとスマートデバイスや自宅のパソコンからアクセスできるようになり、
「いつでも」 「どこでも」 「どの端末からも」
業務が行える、時間や環境、デバイスにしばられない、スマートなビジネススタイル環境が整い始めています。
しかし一方で、この環境整備は勤怠管理や休日・深夜業務の強要という中長期的な労働問題を引き起こす可能性があることも否定できません。
労働問題に関しては、各企業の人事部門が真摯に解決方法を検討していくことが重要です。
以上、クラウド化とスマートデバイスの導入の親和性と課題、その解決方法についてご説明いたしました。
皆さまのスマートビジネススタイルの実現にお役立ていただければ幸いです。
この記事に掲載されているデータは2012年09月24日時点のものです。
[掲載日:2012/09/24]