MDM導入は今や常識、しかし求められる機能に変化が...?
スマートフォンやタブレットなどの「スマートデバイス」を企業で導入する際、情報流出やコンプライアンスの面から、セキュリティの担保と資産管理負荷の軽減のために「MDM(Mobile Device Management)製品」を導入することは今や常識となってきています。
そのMDM市場が拡大していく中で、数年前から少しずつ機能の変化が起きているのをご存知でしょうか。
元々、MDMはスマートデバイスそのものを管理することを主眼としたものでした。
しかしAndroidデバイス、iOSデバイス、さらにはWindowsデバイスなど、スマートデバイスの選択肢が増加。そ
して導入を検討する企業も増え、比例して利用用途も多様化した今、「デバイスの管理だけでは不十分であ
る」と、スマートデバイスとあわせてMDMを導入する企業からの声が上がるようになりました。
中でも、アプリケーションやコンテンツ(データ)も含んだセキュリティが求められるようになってきています。
そこで近年、海外のMDMベンダーが推奨している「EMM(Enterprise Mobility Management)」というキーワードが注目を集めています。
EMM製品とは、以下を併せ備えている製品のことです。
このEMMとは、先ほどあげました「使用用途の多様化」と大きく関わっています。
数年前は、電話やメール閲覧、ブラウジングなどとモバイル利活用も限定的でした。
今日では、モバイルでのメール閲覧はもちろん、グループウェアとの連携、ブラウザ経由での社内イントラWebサイトへのアクセス、社内ファイルサーバーを利用した資料コンテンツ配布など、さまざまな形でモバイルに企業情報を展開し、ワークスタイルに変革をもたらしています。
スマートデバイスはもはや、ただの管理対象ではなくビジネスの武器となっているのです。
それに伴いMDMに求められる機能も単純なデバイス管理ではなく、アプリとコンテンツ管理になっています。 MAMやMCMといった機能が注目される理由はそこにあります。
国内外で50製品以上!最適なMDMを選定するための3つのポイント
さて、そんな最新のMDMトレンドを反映して、最新・最適なMDM製品を選定するポイントをご紹介します。現在、国内外で50以上のMDM製品がサービス提供されており、製品の絞り込みに頭を悩ませている方も多いはず。
そこで、MDM選定において最も重要となる3つの観点をご紹介します。
1.Windows 対応必須!マルチプラットフォームMDMを選択しよう
この選定ポイントは3年前の記事と変わっていません。
現在も、企業導入されているスマートデバイスのプラットフォームの主流は皆さまご存知のiOSです。
しかし、Android for Workのリリースや、Windows 8.1の大幅な進化、さらにはWindows 10の発表などプラット
フォームの大きな変化の影響もあり、今後は企業での利用においてもAndroidやWindowsのシェア伸長が予測されています。
そのため、企業導入時の端末の選定がより混迷することは間違いありません。
そこで重要なのが、プラットフォーム混在の中で、各端末を1つのプラットフォーム上できちんと管理できるMDMを選定するということです。特に、Windows端末を管理できる事は非常に大きなポイントです。
本来、スマートデバイスを会社支給する場合には、プラットフォームを統一することが望ましいです。
しかし、WindowsタブレットというスマートデバイスとPCの中間にあたるデバイスも出現したことで、スマートデバイスとPCとの垣根が曖昧になってきています。それは、PCの世界では大きなシェアを占め、ユーザーにとって使い慣れたWindowsがスマートデバイス側にも入り込んでくるということです。そのため企業内のスマートデバイス導入パターンとして、iOS/Windows、あるいはAndroid/Windowsなど様々なパターンでの混在環境がより増えることは確実といえます。
Windowsも含めたマルチプラットフォームのMDMを選んでおけば、複数プラットフォーム混在の導入対策は間違いないでしょう。
2.サービスの拡張性・利用の高度化にも、幅広く対応できるEMM製品を選択しよう
2つ目に重要なポイントは、スマートデバイス導入時の要件定義からその利用用途が変わった場合、機能の追加などが容易にできるかという点です。
「うちの会社ではそんなに高度な使い方はしないから、現時点では必要最低限な機能だけで十分」という方もいるでしょう。しかし、いざスマートデバイスの利活用が進み、アプリやコンテンツの管理運用(MAM、MCM)が必要になった際、MAM、MCM未対応の製品を選んでしまっており、対応ができないという事態は避けたいところです。
トレンドにてご紹介したとおり、一部部署でタブレットを導入し、限定的な利用からのスモールスタートをしたものの、スマートデバイスの活用が進むとともにMAMやMCMが必要になってくるケースが増えてきます。
もちろん回避策としてMAM、MCMの機能を持つサービスを個別に導入し、MDMと組み合わせて利用することも可能です。
しかし、アプリケーションもデータも全てはデバイス上に存在するものであるため、EMM製品のようにMAM、MCMの機能をMDM上の機能と統合する事で、できることが2倍、3倍にも広がります。
また個別導入のデメリットとして、実際に複数サービスを組み合わせた場合、それぞれのサービスごとに運用が必要となるため、運用負荷もサービス数に比例して大きくなってしまいます。
1つのMDMサービスを軸にして、できるだけすべての機能を単一の管理画面から操作できるプラットフォーム型の製品を選定しておくことで、目に見えづらい管理・運用コストを大幅に削減することができるのです。
3. サービスの継続性・革新性も重要!製品アップデートのあるMDM製品を選択しよう
MDMの比較をする際によく利用されるものは、いわゆる機能比較表です。しかしこうした比較表上には出てこないもので非常に重要なのが、「選んだMDMサービスが、今後もに最先端のスマートデバイスの進化をキャッチアップし、そして常に最新の製品アップデートを提供できるか」という点です。
本記事の冒頭にて「現在、国内外で50以上のMDM製品がサービス提供されている」とご紹介しました。しかし注目すべきは、その50以上の製品の中にはサービス提供を停止したMDM製品や、実質的な製品アップデートが停止してしまっているMDM製品も多く存在しているという点です。
MDMはあくまでデバイスありきの製品であり、デバイスの進化に追随せず新しい機能が実装されないと、最新のモバイルの効率性を最大限に享受できず、周りの企業に取り残されてしまうことも想像されます。
さらに、スマートデバイスの革新スピードが非常に速いことは皆さまご存知のとおりです。
その中で、せっかくコストをかけて、企業内で製品の比較検討および検証を繰り返して導入した製品が、サービスを停止されてしまっては今までの苦労も水の泡となり、また一から製品選定をしていく必要があります。
製品アップデートがほとんどない製品は避けたほうがよいでしょう。
以上、SmaBiz!的 3つのMDM選定ポイントをご紹介しました。
SmaBiz!にも多数のMDMを掲載しておりますが、ここで掲載サービスの中でも特にお勧めのMDM製品をご紹介します。
●MobiConnect for Business : インヴェンティット株式会社
http://smabiz.jp/solution/detail/solution-168.html
●CLOMO MDM : 株式会社アイキューブドシステムズ
http://smabiz.jp/solution/detail/solution-13.html
これらの製品は、ご紹介した3つの選定ポイントをクリアしており、SmaBiz!が太鼓判を押す、市場でも多くのユーザーに利用されている製品です。
これまでの経験上、選定に迷った際には単純に市場シェアが大きい製品をいくつかピックアップしてお勧めしています。それは現在人気がある製品だからというだけではなく、市場シェアが大きく顧客も多く持っているサービスは、おのずと顧客のリクエストに対応するために細かな修正・機能実装を繰り返しており、結果的に継続性が高く最先端の機能実装をおこない、信頼性が高いといえるからです。
是非本コラムを参考にしていただき、皆様の選定に少しでも役立てば嬉しいです。
この記事に掲載されているデータは2015年07月28日時点のものです。
[掲載日:2015/07/28]